Rust製、MITライセンスで公開。社内ハッカソン第二弾「pafin Hackathon 2026」から生まれたプロジェクト。

仮想通貨(暗号資産)の自動損益計算サービス「クリプタクト」を運営する株式会社pafin(本社:東京都千代田区、共同代表取締役:アズムデ アミン/斎藤 岳)は、Amazon Kinesis Data Streamsのエミュレータ「fakestream」を、商用利用も改変も可能なMITライセンスのオープンソースソフトウェア(OSS)として公開しました。開発者の手元のPCや自動テスト環境(CI)で、Kinesisの動作を再現するツールです。当社のAI活用を加速させるために開催した社内ハッカソン「pafin Hackathon 2026」から生まれたプロジェクトの第一弾となります。

背景

当社はKinesisを約8年間利用しています。取引所やブロックチェーンから取引データを取得するクローラー、それを正規化する変換層、損益を算出するエンジン。こうしたサービスの間でデータを受け渡す基盤です。

一方で、この基盤を開発者の手元やCIで再現する部分には、長く課題を抱えていました。従来はLocalStackを利用していましたが、必要なスループットを得るためJVM上で動作するエンジンを有効にしており、数GBのメモリを割り当てても大口ウォレットの処理ではメモリ不足に陥り、開発環境を再起動するたびに起動を待つ必要がありました。CIでもテストジョブごとに1つ立ち上げる必要があるため、1台のランナーで動かせるジョブ数に限りがありました。DeFiの普及とともに当社が扱うデータ量が増えるにつれ、この負担は年々大きくなっていました。

2026年3月、LocalStackはCommunity Editionを廃止しました。残る無料枠はアカウント登録と認証トークンを必要とし、非商用利用に限定されています。この変更が、以前から抱えていた課題の解決に踏み切るきっかけとなりました。

 

開発の経緯

既存の代替ツールを検討したうえで、当社が実際に使用しているKinesisの操作を洗い出しました。ストリームやシャードの管理と、レコードの読み書きにあたる10種類だけでした。実装すべき範囲が限られていることが分かったため、pafin Hackathon 2026の1週間を使い、JVMのようなランタイムを必要としないサーバーをRustで新たに開発し、開発環境のKinesisを置き換えられるか試すことにしました。

置き換えはハッカソン期間中に完了し、現在は当社のローカル開発環境で日常的に稼働しています。

 

結果

アイドル時のメモリ使用量は約2MBです。数GBのヒープを必要としていた従来の構成から大幅に削減され、起動はミリ秒で完了するようになり、大口ウォレットで発生していたメモリ不足も解消しました。CIではテストジョブごとの負荷が下がり、1台のランナーでより多くのジョブを並列に実行できるようになっています。

性能面では、開発用ノートPC上で当社の実際の取り込みトラフィックをピーク時の約12倍の速度で流したところ、書き込み171MB/秒、読み出し227MB/秒を維持しました。この時点でもfakestream側にはまだ余力があり、上限に達していたのは負荷生成側でした。

 

対応範囲と利用上の注意

fakestreamは単一のバイナリとして動作し、AWS SDKのKinesisエンドポイントを差し替えるだけで利用できます。SQSやDynamoDB、S3など他のサービスの構成には手を加える必要がありません。

開発およびCIでの利用を想定したツールです。認証機構を持たないため、localhostやCIジョブ、プライベートなコンテナネットワークなど、信頼できるネットワーク上でのみ利用してください。本番環境のKinesisを置き換えるものではありません。

対応している操作、Kinesis互換の制約、永続化オプション、ベンチマークの詳細などの技術情報は、プロジェクトサイトで公開しています。

 

利用開始とライセンス

Shell
docker run --rm -p 4567:4567 ghcr.io/pafin-inc/fakestream

利用開始方法の詳細は以下をご参照ください(いずれも英語のみ)。

fakestreamはMITライセンスで公開しています。商用利用を含めて無償で利用でき、アカウント登録や認証トークンは不要です。改変や再配布も可能で、自社サービスの開発環境やCIへの組み込みにも制約はありません。

 

pafin Hackathon 2026について

「pafin Hackathon 2026」は、今回で2回目の開催となる社内ハッカソンです。当社ではAI活用を加速させており、ハッカソンではエンジニアとビジネスチームが一体となってAIを活用した開発に取り組み、社内ツールの改善からクリプタクトの機能拡張、新規サービスまで幅広いアイデアが生まれました。

「pafin Hackathon 2026」開催時の様子

 

fakestreamチームによるプレゼンテーションの様子

 

ハッカソンでのプロダクトデモの様子

 

チームによる成果発表の様子

 

成果発表でのプレゼンテーションの様子

 

株式会社pafinについて

提供サービス

仮想通貨の自動損益計算サービス「クリプタクト」
URL: https://www.cryptact.com/
国内ユーザー20万人以上が利用する国内最大級の仮想通貨損益計算プラットフォーム。仮想通貨の自動損益計算や資産管理サービスを提供し、確定申告の作業をサポートします。

仮想通貨の確定申告サポート「Guardian」
URL: https://crypto-city.net/guardian
仮想通貨に精通した税理士と損益計算に特化した専任スタッフが損益計算から確定申告までフルサポートするサービスです。

Web3の家計簿「defitact」
URL: https://www.defitact.com/
ウォレットアドレスを入力することで、瞬時にブロックチェーン上の取引を自動集約し、ポートフォリオを可視化。複数の分散型アプリケーションにおける個々の取引状況や、ウォレットにある資産の残高や時価総額のリアルタイムでの把握を可能とすることで、まるでWeb3の“家計簿”のような一元管理を実現します。

会社概要

  • 会社名:株式会社pafin
  • 所在地:〒102-0083 東京都千代田区麹町三丁目2番4号 フロンティア麹町5階
  • 共同代表取締役:アズムデ アミン/斎藤 岳
  • 設立:2018年1月
  • URL:https://www.pafin.com/

fakestreamは、Amazon Web Services, Inc.とは独立したプロジェクトであり、同社が提供・承認するものではありません。Amazon Kinesisは、Amazon.com, Inc.の商標です。

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